自社のブランド名以外のキーワードで最初から検索1位にするのは難しいですよね。ここでは、検索結果を改善するためのSEO施策であるリライトについて確認していきましょう。
リライトとは
リライトは記事とキーワードの関連性を課題に応じて最適化していくSEOの施策です。SEOの知識がありキーワード選定をした場合でも実際に狙ったキーワードで検索結果に表示されるとは限りません。Search Consoleなどで確認すると違うキーワードや3語または4語の複合キーワードでしか表示できていないこともあります。
最近はSEOに投資している企業が集客コンテンツとしてノウハウ系の記事を投稿することが多いので、当初予定していたキーワードで投稿後すぐに検索1位にするのは困難です。
リライトの必要性
記事の投稿後に一定期間を経てキーワードや記事の方針を再考できるのがリライトのメリットであり役割です。
想定したキーワードで検索上位に表示されていない場合に、例えば『検索順位を改善できるのか』や『3語4語の複合キーワードで確実に上位表示させに行く』など、記事ごとに現況と検索上位のサイトを分析してどのような施策にするのか方針を決めるタイミングといってもいいでしょう。
集客に直結する重要な記事は常に最新かつ最善のSEOにしておくことが理想なので定期的にリライトが必要になります。リライトは、『タイミング』と『改善可否の判断』が重要です。
リライトのポイント
SEOの施策としてリライトを実施するときは事前準備が必要です。
リライトは単純な記事の書き直しではなくSEOのために記事を最適化することが目的なのでリライト時点で最新のSEOトレンドを確認しなければ間違えた取り組みになってしまいます。
具体的にリライトのポイントを整理すると表のようになります。
リライトのポイント | コツ |
---|---|
リライトの時期 | ページをインデックスしてから1か月後。 キーワードの検索順位が大幅に下落したとき。 |
検索意図の最適化 | Search Consoleを確認して想定キーワードと順位付けされたキーワードが同じかどうかを確認。実際にキーワードで検索して検索上位のサイトを分析。 |
最新のSEO | コアアップデートがあればアルゴリズムが変更されるので、アップデート情報を集め最新のSEO情報に沿う形にする。 |
要するに、記事の中身を最良の状態に保つことがリライトです。
リライトするタイミング
記事をアップしてページの運用が始まると最低でも2回以上は記事を見直しリライトが必要になるタイミングが訪れます。1回目は記事をインデックスして1か月程度の時期がおすすめ。そして2回目は掲載順位が大幅に下落したり日々の順位変動が大きくなったときです。
特に変動が大きくなったときの対策は有効な施策になります。
※リライトをする時期のおすすめはキーワードによって若干異なるので一つの目安として。
1回目のリライト時期
1回目のリライトは記事投稿の1か月後を目安に行います。このときの掲載順位に応じてリライトの方針が決まります。
もし、このタイミングで検索結果に順位が付いて掲載されない状態ではリライトの方針を検討することができません。
Search Consoleなどで記事ページをインデックスしますがクローラーの巡回頻度によっては1か月程度検索結果に反映されないことがあります。
インデックスが拒否されているなどページに問題がない場合は順位が反映されるまで待つようにしましょう。しかし、1か月半程度待っても検索結果に掲載されない場合はページが評価されていない可能性があるのでリライトを行います。検索順位が掲載圏外なのか、エラーなのかを確認したうえで記事の内容を大幅に見直すことが必要になりそうです。
このように、記事投稿から1か月経過を目安としたリライトでは検索結果の掲載順位に応じた対応が必要です。
2回目のリライト時期
2回目のリライトは検索順位が大幅に下落したり日々の変動が激しくなったときに実施するのがおすすめです。
記事を投稿してインデックスから1か月程度経ち1回目のリライトをしたことである程度検索順位が上がったとします。「検索結果の1ページ目に入って日々の流入が増えたけど突然流入が減るようになった」そういう場合の多くは検索順位の大幅下落です。
検索順位は突然大幅に落ちたり大きな変動を繰り返すことがあります。そのような動きが始まると日々の集客が不安定になりサイトの状態として好ましくありません。
原因として考えられることは『Googleのコアアップデート』や『異なるページが同じキーワードで順位付けされている』の2つ。この2つの状態はリライトによって早めの修正が欠かせません。
特に後者の同じキーワードで異なるページが順位付けされることの解消が効果的なリライトのメイン施策になります。
カニバリによる検索順位下落とリライト対策
普段安定していた検索順位が突然大幅に下落したり変動が激しくなることがあります。このときに考えられることが『Googleのコアアップデート』または『異なるページが同じキーワードで順位付けされている状態』の2つです。
日々行われているような小規模のGoogleアップデートでは検索順位に大きな影響は出ませんが、一定期間ごとに実施されるコアアップデートは数週間にかけて掲載順位が不安定になったり大幅に上下することがあります。
Google変動とも言われています。
アップデート直後は様子を見ることが多いので同じキーワードをページで食い合っている状態を優先的に対処しましょう。ちなみに、この状態をカニバリゼーションまたは略してカニバリと言います。
カニバリ対策としてのリライトは最も効果的なSEO施策です。
大幅に検索順位が落ちる理由
突然、検索順位が大幅に落ちたときは修正が必要な問題が発生しているので早急に対処することをおすすめします。急激な順位下落がある場合、次の3つのいずれかに該当していることが多いです。
- キーワードのカニバリ
- Googleのアップデート
- サイトレイアウトの大幅な崩れ
サイトレイアウトの大幅な崩ですぐに検索順位が落ちることはありません。
修正せずに長期間放置している間にクローラーが巡回したりサイト訪問者の行動データが著しく悪化した場合に下落するものと考えられます。
もう少し具体的に大幅下落が発生する理由を説明します。
検索順位下落要因 | 理由説明 |
---|---|
カニバリゼーション | ひとつのキーワードを復数の記事で取り上げることによってサイト内のページ間で検索順位の取り合いが起きる。キーワードを共食いする状態となり検索結果に表示される記事が日々変わってしまい大幅なマイナス要因となる。 |
Googleアップデート | Googleは定期的にアルゴリズムのアップデートを行っています。アップデートの規模や内容によって順位に大きく影響があるジャンルとそうでないジャンルがある。Googleアップデートの実施後にはTwitterなどで公式発表があるので日々SEOの情報を収集していれば実施日が確認できる。 |
レイアウト崩れ | サイトの大幅な崩れはユーザーの行動を阻害するため放置しているとユーザーの直帰率や離脱率が大幅に悪化しサイト評価が落ちるものと考えられる。最悪の場合は検索結果表示圏内から消滅する。 |
以上の3つは日々のサイト巡回や日常的な順位変動チェックで確認するのがおすすめ。検索順位の大幅下落はリライトする明確なタイミングになります。
カニバリ対策のリライトとは
異なる複数のページで同じキーワードに検索順位が付いしまい掲載順位を食い合っていることをカニバリゼーション、一般的にカニバリと言います。
キーワードの検索順位は基本的に掲載順位が高いページが表示されますが一時的にそうでない別のページが反映されて表示されたり同じキーワードで複数の記事が検索結果に表示されるようになってしまうことがあります。
これは特にページ数が多いサイトで起こりやすいので要注意です。
ページ数が増えると似たようなテーマを扱う記事が増えるのでブランドワードなどでカニバリが発生します。
特にまずいのが想定外の記事のキーワードの順位が低い場合です。適切でない記事が順位付けされた場合は検索結果の圏外に飛ばされるので集客が途絶えてしまいます。
また、カニバリが頻繁に発生するとサイト運営者と検索ユーザーがそれぞれ求める記事がミスマッチする状態になり継続的に集客を阻害する状態が続きます。
このような状況になれば速やかにリライトを実施して想定外の記事のキーワードをずらしたりcanonical設定をするなどキーワードに対する記事の最適化をしなければなりません。
サイトの問題による順位下落とリライト
システムのアップデートやサーバーのダウンによりサイトのレイアウトが大幅に崩れることがあります。早めに対応できれば特に問題はありませんが更新頻度が低いサイトの場合は要注意です。
また、人為的なミスによりサイトがダウンすることもあります。よくあるのは次の3つのパターン。
- ドメインの契約切れ
- 更新予定の記事を下書き状態のままにした
- 記事にnoindexを付与した
どれも起こり得ることなので注意してくださいね。
リライトを行うときは特に2の状態にならないようにしなければなりません。
そのためにもリライトは1回の記事編集で再公開できるようにしましょう。
「途中で中断するために下書き状態にして保存」してしまうとユーザーは記事にアクセスできなくなります。このことに気が付かずに放置した結果、検索順位が消えたという事例も見かけます。
検索順位の目安とリライト方法
ブログ記事のリライトをするときには検索順位によって対策の作業量が変わります。また、検索結果の1枚目である10位以上になるためにはSEO対策の質も必要になってきます。
まずは、10位圏内に入ることができるように分析とリライトを繰り返していきましょう。次の表で検索順位の範囲に応じたリライトの目安を示しました。
現在地に応じた作業を行うことが大切です。
検索順位 | リライト方法 |
---|---|
3位〜10位 | あと1歩でSEOが完了するラインです。ここまで来ると記事単位ではなくサイトのSEOも関わってきますのでサイトの評価とキーワードの強化を検討しましょう。具体的にはロングテールキーワードの記事を増やす、同ジャンルからの被リンクを獲得する等です。 |
11位〜15位 | 10位圏内の記事に比べてオリジナル性や信頼性が不足していることがあります。記事の内容は10位以内の記事と同程度になっていますので「誰がどの立場で書いた」や「独自調査やツール」を追加することを検討しましょう。 |
15位〜30位 | 記事の内容に不足がある場合があります。同じキーワードで上位10サイトの内容を確認し、情報の不足が無いようにコンテンツを追加します。その際に全く同じではなく独自コンテンツを追加することも忘れずに。 |
31位〜100位 | 記事のキーワードがブレていたり検索意図に沿わない部分があると考えられます。もう一度キーワードの検索意図を見直し、キーワードに沿った専門的なコンテンツとするリライトがおすすめです。 |
100位圏外 | キーワードを意識した記事になっていないかもしれません。SEO記事は作成者の書きたい内容を書くのではなく検索順位が上がる記事にすることが基本です。キーワードについて徹底的に情報収集してコンテンツを再構築する覚悟でのリライトが必要になります。 |
例えば31位から100位の間にあるブログ記事が1度のリライトで3位以内に入る可能性はかなり低いです。検索ボリュームが多く競合も多数あるキーワードなら尚更。
対策が難しいキーワードの場合は一度のリライトでSEOが完了する前提にせずに数回に分けて上位を目指すという方法もあるので根気よく実施してください。
リライト実施前の注意点
リライトは単純な記事の編集ではなくSEOの施策として行います。そしてここで行うリライトの目的は『特定のキーワードの検索順位を上げる』ことです。
リライトの注意点
リライトは1回の作業で再公開まで完了するようにしましょう。
非公開になる時間をなくすことで流入機会の損失を最小限に抑えます。もし、編集途中に記事を長時間非公開にしたり下書き状態にすると記事にアクセスできなくなるので、ユーザーに不親切なだけでなく検索エンジンから『存在しない記事』の扱いを受けて更に検索順位が落ちる可能性があります。
予め編集用のコピーページを作成してすべて完了してから本ページに移植するなどしましょう。
リライトする記事の選定方法
リライトを行う記事はSEOの視点で選定します。
優先的にリライトする記事は検索順位の変動が大きい記事がおすすめです。
GRCなどの検索順位測定ツールで検索順位を観察すると日々大幅な変動を繰り返すキーワードを見つけることができます。このようなキーワードは複数の記事が同じキーワードを食い合っている状態なので、どちらかの記事をリライトして最適化する必要があります。
この場合はキーワードに適していない記事の方をリライトしてキーワードが被らないようにしていきます。
リライトでSEO対策を行う優先順位は次の通りです。
- カニバリ記事をリライトで解消
- 投稿1か月程度の記事
- 伸び悩みが続く記事
1の記事が集客に貢献する記事ならば最優先で対策しましょう。
リライトに必要な準備
SEOのリライトは対策する記事をしっかりと分析してから行うことが大切です。記事の問題点を抽出してから対策の方針を固めていきます。目的がブレないように次の手順で準備を進めてください。
- 記事のSEOの課題を明確にする
- 狙うキーワードを整理する
- 方針を決めて構成し直す
特に1が正しくできなければリライトとしては不十分になるので注意が必要です。
検索順位改善の場合は検索意図を重点的に分析し、カニバリの改善の場合は「見出しを含めた構成及び文章の見直し」を前提に進めていきます。
SEOに有効なブログ記事のリライト方法
リライトをする前には必ずキーワードの順位チェックを行いましょう。少なくとも前月の履歴及び直近2週間程度の順位変動をチェックしたほうが記事の問題点発見に役立ちます。
目的に合わせた具体的なリライト方法は次の通りです。
ブログ記事の検索順位を上げるリライト方法
ブログ記事のキーワード順位が上がらないのはコンテンツがキーワードの検索意図と一致していないのではないでしょうか。
基本的な対策は現在の順位に応じた対応になりますが、想定キーワードで30位以下のコンテンツなら構成から全体の見直しが必要です。
この場合、検索上位の記事の構成や内容を確認しておくことで適切なリライトができるようになります。あわせてサイト運営者も確認しておきましょう。
10位以内に表示されるサイトの運営者が大手企業ばかり並んでいる場合はそのキーワードで10位以内に入ることは現実的ではないかもしれません。その場合は、内容を追加するなどして3語以上の複合キーワードを狙うように切り替えることも選択肢です。
カニバリゼーション対策のSEOリライト
カニバリゼーションは一つのキーワードが複数の記事で強調されていることが原因なので、どちらか一方の記事のキーワードを見直して被りを解消していきます。
被ってしまった記事は本来別のキーワードを想定して作成したものか古い記事ではありませんか?
これはリライトによって本来狙うべきキーワードに一本化していくことができます。
- タイトルを変更する
- 見出しを変更する
- 本文を変更する
徐々に範囲を広げて手軽にできるところから対策していくと作業の負担が減りそうです。
基本的には1記事1キーワードを軸として2語3語のロングテールキーワードを意識したコンテンツとなるようにリライトをするのがおすすめです。
キーワードは単語を変更するだけで検索順位が変化するものもあれば検索意図までしっかりと検討が必要なものもあります。
したがって、この場合も上位サイトの内容や構成は把握したうえで対策する方が良いでしょう。
カニバリとGoogle変動の動きの違い
カニバリは複数の記事が入れ替わることによる順位変動ですがGoogle変動やバグの場合は今まで問題がなかった記事でも突然大幅な順位変動が発生します。
検索順位が大きく落ちると売上も大きく下がるので焦りは大きくなりますが、情報に振り回されることを防ぐためにもまずは情報収集をしましょう。
Googleは日々小規模なアップデートを実施、更に1年に数回の大きなアップデートを行いるようです。定期的に記事のリライトを行うようになれば検索結果のトレンドをチェックすることも大切な準備と言えるのではないでしょうか。
少しの間、様子を見た結果Googleアップデートが行われたことがわかった場合はGoogleに合わせたリライトを取り入れます。
通常時とGoogleアップデート時のリライトでは情報の判断の仕方が微妙に異なります。
状況 | リライト前のSEO情報確認 |
---|---|
通常時 | 現在のSEO情報を収集し基本的なSEOの手順を再確認することによってリライトの成功率を上げる。 |
Google変動発生時 | 変動発生時は焦らず1週間程度様子を見る。最新のSEO情報の収集を積極的に行いますが変動時の混乱状態ではSNSの情報も不確かなものも多いので公式発表を待ち落ち着いてからリライトを実施。 |
リライトをする場合は記事の内容以外に、Google検索のシステムに最適化したページにすることも忘れずに。
カニバリを解消するSEOリライト徹底解説まとめ
カニバリの場合は複数の記事が入れ替わることによる順位変動ですがアップデートやバグの場合は今まで問題がなかった記事でも突然順位に大幅な変動が発生します。
カニバリを解消することは検索順位を安定させるだけでなく適切なキーワードによる順位向上の効果も見込めます。したがってSEO対策のなかでも非常に効果的な施策のひとつです。それを実現するためにもリライトは検索1位になるまで定期的に行うつもりで最新のSEO視点で進めて行けるのが理想的です。
記事が増えてきたら検索順位の変動を確認して変動の要素を分析し、カニバリを見つけたら優先的にリライト対応という流れを作ってみてはいかがでしょうか。
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