キーワード選定のコツを初心者向けに徹底解説

SEOを行う理由が「サイトで集客するため」ならキーワード選定が必要です。検索ユーザーが使うキーワードの特徴を知ればコンバージョンするコンテンツを作ることができます。

ここではコンバージョンに繋がるキーワードの選び方について解説します。

SEOにおけるキーワード選定とは

キーワード選定とは

SEOのキーワード選定とはページを検索結果の上位に表示させるために最適なキーワードを決める手順のことを言います。ユーザーが検索したキーワードに対して求めている情報とページの内容が一致するほど検索順位に好影響を与えるようです。

キーワードは誰がどのような状況で使用するかを想定することが鍵となります。

ここで注意が必要なのは「サイト運営者がコンバージョンにつながると考えたキーワードと検索ユーザーが使うキーワードは一致しないことがある」という点です。どれだけサービスや商品に詳しい人でも検索する人の立場で考える必要があるので俯瞰的に見ておかなければなりません。

自社の商品やサービスは一つのキーワードでは網羅できないことも多いので集客したいユーザーの人物像をしっかりとイメージできるようにしたほうが良いでしょう。

キーワード選定のための事前準備

キーワード選定の事前準備

キーワード選定をする前に今回作成するページのゴールを設定しておくことをおすすめします。キーワード選定はSEO施策なので検索順位を上げることをゴールにしてしまいがちですがそれは必ずしも正解ではありません。

検索順位が上がれば流入が増えコンバージョンも出るかもしれませんが、コンバージョンに至るにはキーワードとページ内容の一致に加えて検索ユーザーの心理が大きく影響します。キーワードとページが一致していないのに流入が増えても連動してコンバージョンが増えるとは限らずコンバージョン率が著しく低いページになる可能性もあります。

ページで集客できたとしても購入や資料請求などの具体的な成果が伴わなければサイトの目的と一致しないと言われたことはありませんか?

このような認識のズレを埋めるには検索順位の上昇はあくまで過程と捉えて購入や予約または資料請求など具体的な行動をコンバージョンをゴールに設定してください。

具体的には、キーワード選定をするために次の3つの事前に準備をしておくことをおすすめします。

  1. コンバージョン地点を決める
  2. 集客するターゲット層を決める
  3. コンバージョンに繋がるキーワードを探す

キーワードは検索ユーザーの深層心理が言語化したものです。サイトに呼びたい見込み客がどのような状況でキーワードを使って検索するのかを分析することが大切です。

コンバージョン地点を決める

SEOに関する施策は最初にゴールを決めると設計しやすくなります。検索による集客のゴールは購入や予約など明確なコンバージョンにしてください。ページの役割がはっきりしていればターゲットごとにキーワード対策したページを作り複数のフィールドから精度の高い見込み客を呼ぶことができます。

また、購入完了や資料請求完了など特定のページへの遷移をコンバージョンにすればGoogle Analyticsを使った効果測定がしやすくなります。

アフィリエイトの場合は広告主サイトへの遷移(クリック)をコンバージョンにしたり、予約をコンバージョンにする場合はウェブ以外にも電話番号のクリックをコンバージョンにすることもあります。サイトやページの目的に応じたコンバージョン地点を設定してください。

集客するターゲットを決める

コンバージョン地点を決めたら次はどんな人をページに呼び込めばコンバージョンする可能性が高いかを考えます。大まかに分けると集客の対象は単純な2択で決めることができます。

  1. 顕在層
  2. 潜在層

顕在層は商品やサービスのことを認知していて関心を持って調べている層なのでコンバージョンに近い検索ユーザーです。顕在層をターゲットにした集客を優先的に実施すればコンバージョンを生む可能性が高い施策になります。

もちろん顕在層をさらに深堀りすれば興味関心のレベルに応じた施策にすることも可能です。限られた施策の中で確実にコンバージョンを獲得しなければならない場合などはターゲットを細分化してみるのも良いと思います。

一方で潜在層への施策では一度の流入でコンバージョンに到達させるのは難しいかもしれません。このような場合は繰り返し訪問させたり他ページに誘導して関心を高めていくことを前提にした集客施策にします。

コンバージョンに繋がるキーワードを探す

顕在層ならば購入直前に調べることが多い商品やサービスの評判や価格比較に関するキーワード。潜在層が対象ならカテゴリーのようなざっくりとしたキーワードなどです。

潜在層と顕在層では呼び込むためのキーワードが違うということがわかっていれば目的に応じたキーワード選定ができるようになります。コンバージョンの確率を上げるためにも分析の精度を高めて、購入意欲の高い見込み客が検索に使用しているキーワードを見つけてくださいね。

続いて、キーワードを探す方法を紹介していきます。

コンバージョンするキーワードの特徴

コンバージョンするキーワードの特徴

検索流入からのコンバージョンは「キーワード」「ページ内容」「購入意欲」の3つが揃ったときに発生します。特に、単価の高い商品やサービスの場合は比較サイトや口コミ、SNSを見て購入を正当化するための情報を集めようとする人が多いように感じます。

もちろんコンバージョンに近いキーワードから流入しても必ずコンバージョンするわけではありません。例えば、他のサイトや実店舗購入する可能性もありますし、サイト限定の商品の場合でも「今日は買わない」という選択肢もあります。

要するにキーワード選定は「サイトにコンバージョンする可能性が高い人を集める」という施策です。

コンバージョンしやすいキーワードの特徴は次の3つです。

  1. 2語、3語以上のロングテール
  2. 比較・検討や評判に関するワードが含まれる
  3. 検索ボリュームが少ない

これらのキーワードは1語のキーワードと比べると検索ボリュームが少ないので流入はそれほど多くはありませんが定期的にWEB解析してみるとコンバージョン率が高いページになっていきます。時間が必要ですがキーワードからの集客が活性化しキーワードの認知度が高まればキーワードも省略されることがあります。そうなると単独のキーワードでも購入意欲の高い人が集まるようになります。(そもそもロングテールのキーワードは入力するのも面倒)

ロングテールキーワードを選ぶメリット

ロングテールキーワードはボリュームが少ないですが購入する直前に調べるような単語が含まれています。ジャンルにもよりますがSEOでは比較的戦いやすい市場です。このメリットを最大限利用するためには購入に近いと考えられるキーワードをそれぞれ網羅していくキーワード戦略がおすすめです。

もちろん既に戦略的にロングテールキーワードから積み重ねたSEO集客を実施する企業もたくさんありますがそれでもビッグワードに比べてキーワードの難易度はそれほど高くありません。

この方法は特に自社ブランドや商品またはサービス名に関するキーワードで効果を発揮します。

例え流入が少なくてもコンバージョン率が高いお宝キーワードが隠れていることがあるのでキーワード選定をする醍醐味でもあります。

初心者が注意すること

キーワード選定のコツがつかめるまで安易に狙わないほうがいいキーワードの特徴を4つ紹介します。

  1. 検討段階に該当しないのに検索ボリュームが少ない
  2. サイトと関連性がない
  3. 官庁や上場企業が上位を独占している
  4. 病院や銀行が上位を独占している

これら4つのキーワードは、運営者が③や④と同じ立場にある場合を除いて競合やGoogle検索の仕様の影響を受けるため成果に繋がりにくいです。検索順位にはこだわらずコンテンツとして必要な場合を除き他のキーワードを優先的に選ぶようにしてくださいね。

ビッグワードを選ぶときの注意点

ビッグワードは平均検索ボリュームがかなり大きい1語または2語のキーワードです。検索順位が上位になると1つのページで1日数百〜千単位の流入が見込めます。大手企業やウェブマーケのプロはビッグワードを狙ったキーワード戦略を実施していますが、これは必要なジャンルの検索市場を占有することが企業の売上を大きく左右するためです。

どの企業も自社のマーケティング専門部署だけでなくSEOコンサルなどを使っていて、サイト制作や認知活動でもウェブに限らない大規模なプロモーション施策を行っています。こんな市場に個人や小規模の企業が単騎で対抗しても難しい取り組みになるのは間違いありません。

市場占有とコンバージョンのどちらを優先するのか、自社の規模や商品やサービスの独自性を考慮して取り組みの方針を決めるのがおすすめです。

ただし自社ブランドやサービス名だけは確実に占有できるようにしたいところです。実務的な面で言えばロングテールキーワードとビッグワードのどちらを選ぶにしても、どのようなユーザーを集客したいかが明確になっていることが前提となります。

キーワード選定の方法と注意点

キーワード選定の方法と注意点

キーワード選定をするときには目標コンバージョン数から必要な検索ボリュームを逆算するとわかりやすいはずです。きっちりと正解を出すための基準ではなく、あくまで目安として柔軟に設定できると選ぶべきキーワードが絞られてきます。

簡単にできるキーワード選定は次の6つの流れで行います。

  1. 考えられるキーワードを書き出す
  2. サジェストツールを使ってキーワードを調べる
  3. Google広告のキーワードプランナーの「検索のボリュームと予測のデータを確認する」に貼り付ける
  4. ボリューム800以上で関連性の高いキーワードを10個選ぶ
  5. キーワードプランナーの「新しいキーワードを見つける」に入力して関連のキーワードを把握する
  6. 実際にGoogle検索で選んだキーワードを検索する

対策したいキーワードはある程度簡単に思い浮かぶはずですが、施策する価値があるものかどうかを見極めなければコンバージョンは生まれません。

目標を達成できるキーワードを選ぶ

購入や予約を目標にするなら目標にするコンバージョン数を確保できるだけの流入が期待できることを事前に確認しておかなければなりません。

目標流入数=目標コンバージョン数÷目標コンバージョン率

必要な検索ボリュームの基準を作る

検索結果が1位になっても全てのユーザーがサイトに入ってくるわけではありません。実際の流入数は検索順位や検索エンジンによって大きく変わりますが目標流入数を基準にして目安にする検索ボリューム数を逆算できます。

検索ボリューム目安=目標流入数÷クリック率
Google検索1位の場合【ボリューム×クリック率20%程度×2(Google+Yahoo)】が月間最大流入数の予測となります。
→クリック率参考:1位20%、2位15%、3位5~10%、4位3~5%程度、5位以下1~2%
Google検索で表示されはじめた記事はYahoo検索でも表示されているので2つの検索エンジンから流入するので最大で160%ぐらいにはなる可能性があります。

検索ボリュームと流入数の注意点

実際のところ、検索ボリュームと流入数は「最大でこれぐらいになるかな」というものです。キーワードにもよりますが1位の場合でもクリック率が10%台しかない場合もあるので見込み通りには行かないことも多いです。(逆に40%台になることもあります)また、GoogleとYahoo検索のボリュームは同じではありませんしクリック率も少し差が出ます。
これに加えキーワードには季節変動もあるので月単位で見れば多いときと少ないときがあるので必ず想定通りになる予測というより参考値と考えて下さい。

初心者でもわかるキーワード選定のコツ

初心者でもわかるキーワード選定のコツ

キーワード選定のコツはバランスのとり方です。検索ボリュームが多ければ多いほどSEOで検索順位を上げるのは難しくなりますが数を見込めるので成功すれば成果もそれなりに大きくなります。逆に検索ボリュームが少なければ検索順位が上がってもサイトへの集客はそれほど見込めません。

初めてキーワード選定をする場合、自分が知っているキーワードを狙った単純な対策を考えてしまいがちですが、検索ボリュームをキーワード選定の一つの目安にしたうえで購入までの距離を考えてみましょう。

そのときに使えるキーワード選定のコツがこちら。

キーワード選定の手順ポイント
考えられるキーワードを書き出すメモ程度
サジェストツールを使ってキーワードを調べる表示された候補全てをコピーする
Google広告のキーワードプランナーの「検索のボリュームと予測のデータを確認する」に貼り付ける貼り付けたキーワード全ての検索ボリュームがわかる
ボリューム800以上で関連性の高いキーワードを10個選ぶ検索ユーザーの流入を安定的に見込むなら最低800程度は必要
キーワードプランナーの「新しいキーワードを見つける」に入力して関連のキーワードを把握する関連性、キーワードボリュームが適切なものを選ぶ
実際にGoogle検索で選んだキーワードを検索する検索結果で上位のサイトが上場企業、医療、公共法人等、人気メディアの場合は苦戦する可能性が高い

キーワード選定のための調査ツール

SEOツールを使うと簡単にキーワード選定ができますが価格も機能もピンキリです。このような有料ツールに手が出せない場合は無料で利用できるツールを利用して効率よく進めていきましょう。

調査項目ツール
検索ボリュームGoogle広告キーワードプランナー
サジェスト(検索バーに入れたら候補として出てくる)ラッコキーワード(https://related-keywords.com/

特にキーワードプランナーは高額なSEOツールを使っていても使用する価値のあるツールです。

おすすめの検索ボリューム

コンバージョンを目標とするキーワード選定の場合は流入とコンバージョン率が重要になります。まずは800程度の検索ボリュームがあるキーワードが取り組みやすいのではないでしょうか。

800程度のボリュームがあるキーワードを選び検索順位1〜3位に入れば1か月あたり3件程度のコンバージョンは得られる可能性があります。もちろんこれだけでは収益確保にはできませんので同じような方法で複数ページを作りそれぞれでキーワード選定を行います。

物販だと厳しいかと思いますがコンバージョンに近いキーワードを10個選定してそれぞれページを作れば1日1コンバージョンは獲得できるようになります。更にこれらのキーワードが計画的に考えられたものであれば10ページそれぞれでコンバージョンが獲得できる頃にはもっと大きな検索ボリュームを持つキーワードで上位表示されているはずです。

サイト構成を考えたキーワード選定にする

小規模サイトの場合でも最終的に検索上位化させたい中規模大規模のキーワードを想定したサイト構成にしておくことをおすすめします。キーワード基準のサイト構成を考えてコンテンツとキーワード対策をしていれば将来的にコンテンツ同士が専門性を高めてビッグワードでも競合に勝てるぐらいの競争力が付いてきます。そうなれば顕在層だけでなく潜在層も多く入るような流入が多いサイトに成長できるのでスケールメリットが生まれます。

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キーワード選定のコツを初心者向けに徹底解説まとめ

キーワード選定はキーワードを基準にしたサイト計画に必要なものです。時間がかかることも多いですが地道にコンテンツを増やしていくことで確実にコンバージョン数を伸ばすことができるので計画的に施策を積み上げていけば成果が伴う集客に繋がります。大切なポイントとしてキーワードの背景にある検索ユーザーの購買心理の予測とコンバージョン数を確保するために必要な流入を逆算する方法を紹介しました。

キーワードを軸にしたサイト計画とコンテンツを増やせばコンバージョンが付いてくるので良いサイト運営ができるのではないでしょうか。この方法は、高単価の商品を売るECサイトや予約や資料請求をコンバージョンとするコーポレートサイトにおすすめの方法です。もちろん個人の小規模サイトでも十分に活用できますので一度試してみてくださいね。